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2月3日、東神田「組む東京」にて

岡安圭子さんの朗読会に参加しました。この季節に恒例のイベントで、自分のダイアリーを遡ってみると2018年からの参加になるのかしら。

朗読会のとき、僕は目を瞑って聴いていることが多いのですが、ときおり岡安さんの声がすこし違った位置から聞こえてきます。それは一歩二歩ぶんのわずかな距離なのですが、目を開けてみると会場の私たちに一人ひとりに向けて話しかけてくださるようでした。参加者一人ひとりへ、宮沢賢治の文章の断片で語りかけてくださっていることに気がつきました。

朗読が終わったあとで小さな封筒をいただきました。中には賢治の文章の断片を書き綴ったカードが入っています。顔見知りとなっているひとにはその人をイメージして、初めて参加された方へは、名前の漢字からその人のことを想像して、ことばを選んでいらっしゃるのだそうです。
封筒はその場では開けずに、帰りの電車で座れた時に開いてみました。(絵のことを言ってくださったのですね!)


朗読会からの帰り道に

この日の朗読は、宮沢賢治「注文の多い料理店」からはじまりました。
これまでに何度かは触れてきているはずなのに、僕は話の結末をすっかり忘れています。
体じゅうにバターを塗りたくって、さあどうなっていくのだろう…と、どきどきする感情のあとに待っているのはあっけらかんとした結末。はなしを聴いている自分のほうがなんだか狐に化かされたような、きょとんとして取り残される感じでしょうか。

宮沢賢治の描くものがたりの登場人物には、そのまま突き抜けていくひとと、そこにポツンと残されるひとがいるように思います。詳しい方がいらしたらとっても恥ずかしいのですが、初めてそのことを意識しました。


TSUBASA BENCH DRILL No.122

カンヴァスの木枠をつくるときに垂直に穴を開けられたいいな…と、ずっと思っていて、卓上ボール盤を手に入れました。近所にある中古の電動工具店にて、保証のないかわりに安価な現状品として売られていたものです。

ここのところ、時間さえあればボール盤のことを検索していました。自分ひとりで持ち運べる大きさで、プラスチッキーじゃなくて、僕が使わなくなったら次の方へ託せるもので。
アシナASD-305、キラKND-8、日立工機LE-2800またはB6S、遠州ESD-250…。もう、型番でわかるようにもなっちゃった。そうしたなかで偶然見つけたツバサ工業の卓上ボール盤だけど、検索では情報が出てきませんでした。

前の所有者は90年代に使っていた方でしょうか。幾か所に手は入っていて、1994と印字された電源コードに、モーターも交換されています。ただ、そこからはあまり使われずにいたのでしょう。いろいろと想像しながら汚れや錆を落としました。手を入れるのは最小限に、必要な箇所を磨いて注油しました。僕の作業に必要な精度は十分出てくれています。


三ツ星製VベルトRK28 少し長かったのでスペーサーを挟みました


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10月17日頃と、12月9日に

映画『最後にして最初の人類』を繰り返し観ています。大学で助手さんとおしゃべりしてて教えてもらって、遅れて熱狂しているところです。パンフレットもまだギリギリ買えることを知って取り寄せたり、Spotifyでアルバムをダウンロードしたり…。原作本も図書館で借りました。

後日。この本は現在絶版で古書が高額だったのだけれど、購入することにしました。
文庫本での復刊が予定されていることをSNSで知ってはいたのですが、きっと増補改訳版になることでしょう。いまはそれが書店に並ぶのを気長に待ちつつも、手に入れたこの単行本の頁をめくっています。



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12月はじめ頃、一日一枚のような感じで

アトリエの大家さんから頂戴したリンゴを透明水彩で描いています。
へったくそだなぁ…。自分で苦笑いをしながら、完成させたらすぐにひっくり返してしまい込みます。描いたのを忘れて、仕事の合間にもう一枚、という要領です。

ついこの間、学生に「へたくそな自分を笑えるようになればいいよ」とお声がけしたことがあります。それは、画面をいじくり倒して絵を灰色にしてしまっていた、かつての自分にも向かっています。へたくそでもいいからとにかく仕上げて、そこから考えてみる。ちょうど、映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の主人公のような感じで。




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12月5日、国分寺市立いずみホールへ

大学の構内でお会いするダンスの先生から案内をいただいて、先生の舞台に立つ公演を鑑賞に行きました。ダンスの公演を観るのはたぶん初めて。
普段お会いするときと、舞台上でのお姿は繋がっている…。そんなことを考えながら鑑賞しました。



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11月17日、東京都美術館のローマ展へ

カピトリーノ美術館から来た古代ローマの大理石彫刻たちが美しくライティングされていました。これらの彫刻たちは、現地のカピトリーノ美術館だと展示室や回廊にずらーっと並んでいて、来場者をやや上から見下ろしています。あの感じをちょっと思い出したくて観に行くことにしました。ちょうど人のまばらな時間帯だったことは幸いでした。

綺麗な陰影を見ていると落ち着きます。学生時代、松本英一郎先生から素描の指導を受けていたときに、君(のデッサン)は光を追いかけているから、と。そして、ハイライトの入れ方についてアドヴァイスを受けていたときの研究室のあの一角、什器を衝立代わりにして先生の制作机のあった、あの場所の光景を思い出します。



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10月26日に

フランスに出かけられていた同僚の先生からいただいた、ザ・サクラスケッチ/ノートブックのブラックペーパーヴァージョン。ヨーロッパ発のブランドで日本では買えないみたい。あと、チョコレートの包み紙。嬉しかったことと、外国のお菓子の感じを久しぶりに味わったことと。



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9月17日 work in progress

挿画に日本の文字を描き入れようとしています。
トレースするために印刷した言葉を一文字ずつ切り離して、いろいろ試しているところです。

ぎこちないスペーシングで、でも、あざとくならないように。
(『ブレードランナー』の日本語風のネオン看板を思い出しています)



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9月5日、挿画の加筆を終えて

随分前に仕上げていた挿画の燕に、少し手を加えることにしました。
はじめは、食べ物をくわえて巣に戻る姿として描いていたのですが、ことばを巣に持ち帰る姿にしようと思いました。

この挿画は版画用紙の上に油彩で描いていて、紙の上で油絵具がのせられるように下地処理をしています。加筆する箇所へ追加の処理をしてから、極細筆を使って紙の上の絵具を泳がすようにして、小さな文字の印象を留めていきます。